それは二時間のテレビを見終わった頃。
かすかに外で誰かと誰かが口論をしているような音を聴いたエリエットは気になって買ったばかり遮光カーテンの隙間から外を眺めます。
すると二台の乗用車がちょうどマイルーム(二階だけど)の近くに停車していました。
どうも様子がおかしいことはすぐに知れました。
だって口調が説得している様子だったから。
気になるでしょ???
もちろんエリエットは外を覗きまくり。
だけど、最低限部屋の電気だけは落として、外から見てばれないようにしました。
どうやら口論をしているのは警察官と一般人らしいのです。
そして話を聞いていると(聞き耳を立てていたわけでなく、聴いていたの!!)、どうやら無免許で車を運転し、同行を求められているようなんです。
リアルな警察２４時!!状態です。
そしてなんと一般人は一般でなく外国人!!(あまり言い過ぎてもなんなのでアジア圏とだけご報告。)
しかも家庭を持った母親らしく……。
日本語はきっと理解できるのでしょうが、話はまとまらず平行線。
警察官は全員男性で、シートベルトを自ら外さない女性を無理矢理車から出させることができない状態が続きます。
こう言っちゃなんですけど、セクハラとか面倒な話ですよね〜…。
とまぁワタシが観察しだして一時間ほど、こんな感じで車から出るようにと説得が続くわけです。
時に警察官は熱く、時にしみじみしたりして、あの手この手で説得をします。
この時点で警察官は約七人。皆寒い中頑張って説得をします。
きっと家から覗くギャラリーもいたので時間と寒さの我慢対決勃発みたいなね〜。
そして後半戦。女性の警察官を応援にやって来て、今度こそ車から出させようと説得の山場を迎えるのです。
それでも断固として身体は車の中。
女性警察官の説得も引っ張り出しにも抵抗した女性はほぼずっと泣きどおしでした。
オトナもこんな状況じゃ泣くものですね。
説得に全く応じない為、警察官の声にも熱がこもります。
それはどうして分かったか?? それは声の大きさです。
深夜なので静かな中、きっと近所周辺に聞こえています。
でもそれはしょうがないとさえワタシも思いましたので、警察官は悪くないです。
どうしても車から出てこないんだから。
彼女の旦那が現場にやってくると、あっさり彼女は車から降りました。
結局約九名の警察官と関係車三台を動員した警察２４時が終了。
二時間程のドラマでした。
