それは29年10月10日のことだった。
妊活し始めて1年10か月も既に経ったこの日、毎月抱くきっと気のせいだろうという気持ちを抱えてトイレに向かった。
クッキリと線が出たそれを見てずっと抱え込んできた気持ちに終止符が打たれた。
嬉しいという気持ちよりもやっとホッとできた。
それからの妊娠確定をしてもらうために産婦人科にかかるわけだが、住んでいる市には一つしか産婦人科がないために選ぶ余地はなかった。
その産婦人科の医者の口からはトゲのある言葉しか出てこず、性格がねじまがっているとしか思えなかった。
それでも二回目の診察にかかり、その時に最低最悪な医者は言った。ココでは産ませられないと。
『あなたのような人はどこも受けてもらえないでしょうね、大きい病院ならどこも受けてくれないだろうから仕方なくあなたを受けてくれるでしょうけど』
何がダメでそんなことを言われたのかさえ分からない。
ただ妊娠初期のホルモンバランスが崩れているそんな時期にここまで妊婦を罵倒し蹴落とす産婦人科医がこの世にいていいのか。
エリエットは一人目を緊急帝王切開していて、確かに一人目の時はかなり太ってしまったけれど、それだけの要素でここまで言われる筋合いはないと思う。
もちろん医者に対してひどい態度をとったということでもない。
ただ市に一つしかない産婦人科では産めないということだけを理解して、泣いて帰宅して事は今でも忘れない。
そして隣りの市の総合病院に転院することになり、どうして転院されたのかと聞かれた時は理由も分からずだったので答えられず上記のことを説明すると担当してくれた産科医は言葉にならないという状態で『本当にそんなことを言われたの?!』とひどく動揺していた。
後から聞いた話では、一人目が帝王切開では二回目の帝王切開になる(希望がなければ)ので面倒だから廻されたということらしいのだけど(看護師談)、これは産婦人科医に直接聞いたわけではないので真意は不明。
転院した総合病院ではむしろ環境は最高で医者も看護師もすごく良い人たちばかりで心の底から転院して良かったと思えた。
その一点だけの意味では市に一つのあの最低産婦人科には感謝したいところ。
長女を見ながらのつわり期は長女の面倒をみるという気の紛らわしがあったおかげかあまりひどいつわりはなく、
ただただ胃が痛いという強い胃痛だけがエリエットを襲ってきていた。
一人目の時のマグロ漁船から下りられないひたすら続く船酔いのような症状がないのが本当にうれしかった。
ただ初期から中期後期とずっと胃痛があったのがきつかった。
胃痛がひどくいつも背中まで痛んだ。
逆流性食道炎なんてまだ可愛いものだと思えた。
胃痛があまりに酷いと身動きが取れなくなるものだとこの時初めて知った。
つわり期では体重を3キロほど落とした。
落ちたというよりも落としたという言葉が正しく、
あの産婦人科医に断られたことがチカラとなって絶対に今回は太らない!!と心に決めていた。
おかげで産前より+5キロ(つわり期からは+8キロ)の増量で出産を迎えられることになった。
そしてエリエット、明日25日出産します。
明日に備えて前日24日から入院です。
明日会えると思うとドキドキ、寝れるか心配ですね。